スパイラルダクトの規格とは?サイズ・寸法・板厚や発注時の確認ポイントを解説
スパイラルダクトを選定・発注する際は、呼び径だけでなく、内径や板厚、材質、長さ、接続部の寸法なども確認する必要があります。
同じ呼び径でも、材質や板厚、メーカーごとの製品仕様によって細かな条件が異なるため、規格だけを見て選ぶと、接続部が合わなかったり、予定していた場所に納まらなかったりすることがあります。
本記事では、スパイラルダクトの規格を確認するうえで知っておきたいサイズ・寸法・板厚の見方から、発注時に確認したいポイントまで解説します。
スパイラルダクトの規格とは

スパイラルダクトの規格を確認するときは、呼び径だけでなく、内径や板厚、長さなどを分けて確認する必要があります。
空調・換気設備などに使用するスパイラルダクトについては、JIS A 4009「空気調和及び換気設備用ダクトの構成部材」で、内径寸法や寸法の許容差、板厚、継手の構造などが定められているのです。
また、国土交通省の「公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)」でも、スパイラルダクトの呼称寸法や板厚などが示されています。
(1) 亜鉛鉄板を、スパイラル状に甲はぜ掛け機械巻きしたもので、その呼称寸法は内径基準
とし、内径の公差は呼称寸法に対し0~+2mm とする。スパイラルダクトの板厚及びはぜ
のピッチは、表 3.1.23 及び表 3.1.24 による。
引用元:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版) 1.14.4.1『直管』」
円形スパイラルダクトのサイズは内径を基準として表されます。
また、必要な板厚は、ダクトの大きさに加えて、圧力区分や材質によっても異なります。
ただし、JISで規定されている寸法と、メーカーが実際に製造・販売している製品のラインアップがすべて一致するわけではありません。
取り扱っている呼び径や板厚、材質、定尺、製作できるサイズの範囲などはメーカーによって異なります。
そのため、スパイラルダクトを選定・発注する際は、規格上の寸法だけを見るのではなく、希望するサイズや材質、板厚、長さを発注先で対応できるかまで確認することが必要です。
スパイラルダクトの規格で使われる主な寸法の見方

スパイラルダクトの規格表や製品仕様書を見るときは、それぞれの数値が何を表しているのかを分けて確認する必要があります。
特に確認しておきたい寸法・仕様は、次の通りです。
- 呼び径
- 内径
- 板厚
以下からは、それぞれの見方を詳しく確認していきましょう。
呼び径
呼び径とは、スパイラルダクトのサイズを区別するために使う呼称です。
なお、JIS A 4009では「内径寸法」、公共建築工事標準仕様書では「呼称寸法」という表現が使われています。
一般的には「φ100」「φ150」「φ200」などと表し、製品の選定や見積もり、発注、施工図への記載などに使用します。
たとえば「φ100のスパイラルダクト」であれば、内径100mmを基準としたサイズを示します。
内径
内径とは、スパイラルダクトの内側の直径です。
円形スパイラルダクトでは、基本的にこの内径を基準としてサイズが表されます。
たとえば、呼び径100mmであれば、内径も100mmを基準とした製品になります。
内径は、ダクトの中を空気が通る部分の大きさを示すため、必要な風量や圧力損失を考えてダクトサイズを選ぶ際の基本となる寸法です。
板厚
板厚とは、スパイラルダクトをつくる鋼板の厚さです。
「0.5mm」「0.6mm」「0.8mm」などのように表されます。
板厚は、ダクトの形状を保ったり、内部の圧力に耐えたりするために重要な項目です。
スパイラルダクトの規格サイズ一覧

JIS A 4009では、円形スパイラルダクトのサイズを内径寸法で表します。
JIS A 4009:2017の表3で定められている内径寸法は、次の通りです。
| 内径寸法(mm) |
|---|
| 75 |
| 100 |
| 125 |
| 150 |
| 175 |
| 200 |
| 250 |
| 300 |
| 350 |
| 400 |
| 450 |
| 500 |
| 550 |
| 600 |
| 650 |
| 700 |
| 710 |
| 800 |
| 900 |
| 1,000 |
| 1,100 |
| 1,200 |
| 1,250 |
ただし、JISに記載されているサイズが、そのまますべてのメーカーで標準品として販売されているわけではありません。
メーカーによって、取り扱う呼び径や板厚、材質、定尺などは異なります。
JISの一覧にはないサイズを製作している場合もあれば、JISに記載されたサイズでも通常のラインアップに含まれていない場合があります。
そのため、スパイラルダクトを発注するときは、規格上のサイズだけで判断せず、発注先で希望する呼び径や板厚、材質、長さに対応できるかを確認することが必要です。
山陰設備工業で取り扱っているスパイラルダクトの主なサイズ・長さは、次の通りです。
| サイズ(φ) | 長さ(L) |
|---|---|
| 100 | ・500mm ・1,000mm ・2,000mm |
| 150 | ・500mm ・1,000mm ・2,000mm |
| 200 | ・500mm ・1,000mm ・2,000mm |
山陰設備工業では、亜鉛鋼板製のスパイラルダクトを受注生産しています。
上記以外のサイズや長さにも対応できる場合があります。
必要な寸法や板厚、数量などが決まっている場合は、発注前に製作できるかご確認ください。
スパイラルダクトの規格を確認するときの注意点

スパイラルダクトの規格を確認するときは、規格表に記載された数値だけで判断せず、それぞれが何を示しているのかを確認する必要があります。
特に注意したいポイントは、次の通りです。
- 呼び径と実寸を混同しない
- 呼び径だけで板厚を判断しない
- JIS規格とメーカーの製品仕様を混同しない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
呼び径と実寸を混同しない
円形スパイラルダクトは内径を基準にサイズが表されます。
しかし、呼び径と外径などの実寸が同じになるわけではありません。
たとえば、ダクトには鋼板の厚さがあり、外側にはスパイラル状のはぜもあります。
そのため、「φ200」と記載されていても、製品本体の外径が200mmになるわけではありません。
また、製品には寸法の許容差があるため、実際の内径にも一定の幅があります。
梁や配管との間隔が狭い場所、スリーブの貫通部、機器周辺などでは、呼び径だけを見て施工スペースを決めると、納まらない場合があります。
保温材を施工する場合はさらに仕上がり外径が大きくなるため、必要に応じて製品図や実寸を確認し、仕上がり寸法まで考慮しておきましょう。
呼び径だけで板厚を判断しない
スパイラルダクトの板厚は、呼び径だけで決まるものではありません。
主に確認する条件は、以下の3点です。
- ダクトの大きさ
- 圧力区分
- 材質
このうち、亜鉛鉄板製スパイラルダクトの板厚について、国土交通省の「公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)」では、呼称寸法と圧力区分に応じて次のように示されています。
| 適用表示厚さ(mm) | 低圧ダクトの呼称寸法 | 高圧1・高圧2ダクトの呼称寸法 |
|---|---|---|
| 0.5 | 450以下 | 200以下 |
| 0.6 | 450を超え、710以下 | 200を超え、560以下 |
| 0.8 | 710を超え、1,000以下 | 560を超え、800以下 |
| 1.0 | 1,000を超え、1,250以下 | 800を超え、1,000以下 |
| 1.2 | - | 1,000を超え、1,250以下 |
たとえば、同じ呼び径400mmでも、低圧ダクトと高圧ダクトでは必要な板厚が異なります。
また、亜鉛めっき鋼板とステンレス鋼板など、材質が変われば板厚の基準も同じとは限りません。
そのため、呼び径だけを見て板厚を決めず、設計図書に記載された圧力区分や材質、要求仕様を確認したうえで選定しましょう。
JIS規格とメーカーの製品仕様を混同しない
JIS規格と、メーカーが実際に製造・販売している製品の仕様は分けて考える必要があります。
実際に製造できる呼び径や板厚、材質、製品長さなどはメーカーごとに異なります。
そのため、JISに記載されているサイズであっても、発注先で標準品として取り扱っているとは限りません。
反対に、メーカーが独自のサイズ展開をしている場合もあります。
スパイラルダクトを発注するときは、JIS上の規格だけで判断せず、発注先の製品仕様と照らし合わせ、次のような項目を確認しましょう。
- 対応している呼び径
- 板厚
- 材質
- 製品長さ
- 継手の寸法
- 製作可能なサイズの範囲
標準仕様にないサイズや板厚が必要な場合は、発注前に製作できるか確認しておくと、手配後の変更や現場での納まり不良を防ぎやすくなります。
スパイラルダクトを発注する際に確認したい規格・仕様

スパイラルダクトを発注するときは、呼び径だけでなく、施工や接続に必要な仕様まで確認しておく必要があります。
発注前に確認したい主な項目は、次の通りです。
- 呼び径・内径を確認する
- 板厚を確認する
- 材質を確認する
- 長さを確認する
- 接続部の寸法を確認する
以下からは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
呼び径・内径を確認する
スパイラルダクトを発注するときは、必要な呼び径と内径を確認します。
円形スパイラルダクトは内径を基準にサイズが表され、「φ100」「φ150」「φ200」などの呼び径で指定するのが一般的です。
施工図や機器表に記載された寸法と、発注する製品の呼び径が合っているかを確認しましょう。
既存図面の寸法と実際の寸法が異なっていたり、換気扇や送風機などの接続口が外径で示されていたりすることがあるため、既設設備へ接続する場合は注意が必要です。
既設設備へ接続する場合は、可能であれば現地で寸法を確認し、次のような情報をまとめておくと発注ミスを防ぎやすくなります。
- ダクト本体の呼び径
- 接続先の口径
- 接続先の内径・外径
- 継手やカラーの有無
- 異径接続の有無
- 接続方法
寸法だけでは判断しにくい場合は、接続部の図面や写真なども用意しておくと、製作するダクトや継手を確認しやすくなります。
板厚を確認する
スパイラルダクトの板厚は、呼び径だけで決めるものではありません。
同じ呼び径でも、低圧・高圧などの圧力区分や使用する材質によって、必要な板厚が変わる場合があります。
そのため、発注するときは次のような項目を確認しましょう。
- ダクトの呼び径
- 圧力区分
- 指定された板厚
- 材質
- ダクトの用途
発注前に図面や仕様書を確認し、必要な板厚に対応した製品を選んでみてください。
材質を確認する
スパイラルダクトには、亜鉛めっき鋼板やステンレス鋼板など、さまざまな材質があります。
一般的な空調・換気設備では亜鉛めっき鋼板が使用されることが多いです。
しかし、設置環境や用途によって求められる材質は異なります。
たとえば、水分の影響を受けやすい場所や腐食への対策が必要な場所では、ステンレス鋼板などが指定されることがあります。
そのため、発注するときは「スパイラルダクト」とだけ指定するのではなく、図面や仕様書に記載された材質まで確認しましょう。
ステンレス鋼板の場合は、必要に応じて鋼種や表面仕上げなどの指定も確認しましょう。
長さを確認する
スパイラルダクトは、呼び径とあわせて1本あたりの長さも指定して発注します。
製品の標準的な長さや製作できる長さはメーカーによって異なるため、必要な寸法に対応しているか確認しましょう。
必要な長さを決めるときは、以下の点も考慮します。
- 直管部分の寸法
- エルボやT管、レジューサー(R管)、ニップルなどを取り付けたときの寸法
また、長いダクトほど接続箇所を減らしやすくなるものの、現場によっては搬入や天井内での取り回しが難しくなる場合があります。
発注前には、次のような点も確認しましょう。
- 搬入できる長さか
- 天井内やシャフト内で施工できるか
- 現場で切断する必要があるか
- 継手を含めて必要な長さに納まるか
- 必要な本数は何本か
現場の施工条件まで踏まえて、扱いやすい長さを選ぶことがポイントです。
接続部の寸法を確認する
スパイラルダクトは、以下の部材や機器と接続して使用します。
- ほかの直管
- ニップルやエルボ、T管、R管などの継手
- 換気扇・送風機などの機器
そのため、ダクト本体の呼び径が合っていても、接続する部材の寸法が合っていなければ施工できません。
発注前には、次のような項目を確認しましょう。
- 接続するダクトの呼び径
- 継手の差込み部の寸法
- 必要な差込み長さ
- 機器接続口の寸法
- フランジ接続の有無
- 異径継手の必要性
- エルボや分岐管を含めた全体寸法
特に既設設備へ接続する場合は、現地で接続口の寸法を確認しておくと安心です。
スパイラルダクトの規格を確認して適切なサイズを選ぼう

スパイラルダクトを選定・発注するときは、呼び径だけでなく、内径、板厚、材質、長さ、接続部の寸法まで確認することが重要です。
規格表だけで製品を決めるのではなく、設計図書や施工図、接続する機器、発注先の製品仕様まで照らし合わせて確認しましょう。
また、現場の納まりや接続方法まで確認したうえで、必要な部材をまとめて選定すると手配しやすくなります。
私たち山陰設備工業では、自社工場でスパイラルダクトをはじめとする丸ダクトや角ダクトを製造し、各種関連部材も取り扱っています。
設計から製造、施工まで対応しているほか、施工を自社で行う設備業者の方からの、ダクト製作のみのご依頼にも対応可能です。
現場に合わせた寸法のダクトや関連部材をまとめて手配したい場合は、ぜひ山陰設備工業へご相談ください。

