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2026.08.13

ダクト火災を防ぐには?原因・リスク・点検ポイントを解説

「以前より厨房に煙や臭いがこもる」「ダクトの継ぎ目から油がにじんでいる」「長期間、内部を点検していない」といった異変に気付いていながら、そのままにしていないでしょうか。

こうした異変を放置すると、ダクト内にたまった油やほこりに炎や火の粉が引火し、天井裏や壁の中まで火が広がるおそれがあります。

本記事では、ダクト火災の原因や危険サイン、被害を防ぐための点検・清掃のポイントを詳しく解説します。

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ダクト火災が起きやすくなる原因

ダクト火災は、ダクト内にたまった油やほこりに、炎や火の粉が引火することで発生します。

特に厨房や工場では、日々の使用によってダクト内部が汚れやすいため、適切に清掃や点検を行わなければ火災の危険性が高まります。

ダクト火災が起きやすくなる主な原因は、次の通りです。

  • ダクト内に油脂がたまっている
  • 火源と排気フード・グリス除去装置が近すぎる
  • 排気の流れが悪く、油煙や熱がこもる

ここからは、それぞれの原因について詳しく解説していきます。

ダクト内に油脂がたまっている

厨房では、調理中に発生した油煙が排気とともに吸い込まれ、ダクトの内側に付着します。

清掃せずに使い続けると、油汚れが少しずつ厚くなり、火災時の燃料となります。

ダクト内に火の粉や炎が入り込むと、付着した油に引火し、天井裏や壁の内部まで火が広がるおそれがあるのです。

特に、焼肉店や焼鳥店、揚げ物を多く扱う飲食店では、油やすすがたまりやすいため注意が必要です。

火源と排気フード・グリス除去装置が近すぎる

コンロや炭火などの火源と排気フード・グリス除去装置が近すぎると、炎や火の粉がダクト内へ吸い込まれやすくなります。

特に注意が必要なのは、炭火を使う厨房や、調理台のすぐ近くに吸い込み口がある設備です。

火の粉が入りやすいため、排気フード・グリス除去装置をどこに設置するか慎重に決める必要があります。

ダクトの中に油汚れがたまっていると、わずかな火の粉でも油に燃え移り、火災につながるおそれがあります。

設計や工事を行う際は、厨房設備の種類や構造、地域の火災予防条例などを確認し、火源とグリス除去装置などの間に必要な距離を確保しましょう。

排気の流れが悪く、油煙や熱がこもる

排気の流れが悪いと、厨房内に油煙や熱がこもるだけでなく、ダクト内部にも油汚れが付着しやすくなります。

排気性能が低下する主な原因は、次の通りです。

  • 排気ファンの性能不足
  • フィルターの目詰まり
  • ダクトの曲がりが多い構造

ほかにも、ダクトの接続部分に隙間があると、空気が漏れたり外部の空気を吸い込んだりして、排気設備全体の性能が低下することがあります。

排気が弱いと感じた場合は、フィルターの汚れだけでなく、排気ファンの状態やダクトの形状、接続部分まで確認する必要があります。

設備の用途や調理量に合った風量を確保し、油煙や熱を適切に排出できる状態を保ちましょう。

ダクト火災リスクが高い設備

ダクト火災は、油脂や粉じんなどに炎や火の粉、高温になった設備部分などが触れて着火することで発生します。

特に、次のような設備では、使用環境に合ったダクトの選定と定期的な清掃・点検が欠かせません。

設備 火災リスクが高い理由
厨房ダクト ・調理中に発生した油煙が、ダクトや排気ファンの内部に付着するから
・油汚れを放置すると、炎や火の粉が入った際に燃え広がるおそれがあるから
焼肉店の上引き排気ダクト ・火元の近くに吸い込み口があるため、炭火の火の粉や炎を吸い込みやすいから
・ダクト内に油がたまっていると、吸い込んだ火の粉によって着火しやすいから
フレキシブルダクトまわり ・内側が蛇腹状で凹凸があり、油やほこりがたまりやすいから
・清掃器具が届きにくく、内部の汚れを十分に取り除きにくいから
無煙ロースターのダクト ・調理台の近くで煙や油を吸い込むため、内部に油汚れが付着しやすいから
・調理中に発生した火種を吸い込む可能性があるから
・油汚れと火種が重なると、着火するおそれがあるから
工場ダクト ・粉じん、オイルミスト、高温の空気など、設備ごとに異なる物質が流れるから
・排出物の性質に合わない材質や構造を選ぶと、内部で着火するおそれがあるから
・ダクト周辺へ延焼する可能性もあるから

同じダクトでも、流れる空気の温度や含まれる物質によって、適した材質や構造は異なります。

設計や交換を行う際は、設置場所だけで判断せず、用途や清掃方法、点検のしやすさまで含めて選定することが大切です。

ダクト火災によって起こり得る被害

ダクト火災は、火が見えない天井裏や壁の中を通って広がるため、発見・消火が遅れやすい火災です。

ダクト火災によって起こり得る主な被害は、次の通りです。

  • 建物の広範囲が焼損する
  • 消火活動のために天井・床の解体が必要になる
  • 営業停止や信用低下につながる
  • 近隣店舗・ビル全体へ延焼する
  • 従業員や利用者に被害が及ぶ

ここからは、それぞれの被害について詳しく見ていきましょう。

建物の広範囲が焼損する

ダクト内に火が入ると、内部に付着した油やほこりを燃料にして、天井裏や壁の中へ火が広がるおそれがあります。

外から炎が見えにくいため、気付いた時点では離れた場所まで延焼し、建物の広範囲が焼損している可能性もあります。

特に、複数の部屋や階をまたぐ長いダクトでは、火災の範囲をすぐに把握することが難しく、被害が広がりやすいため注意が必要です。

消火活動のために天井・床の解体が必要になる

ダクトは天井裏や壁の中、床下など、外から確認しにくい場所に設置されています。

そのため、ダクト内部で火災が発生すると、外側から水をかけるだけでは完全に消火できない場合があります。

火元や延焼範囲を確認するために、天井や壁、床を開口・解体しなければならないことも。

消火後も、解体した部分の修復やダクトの交換が必要となり、復旧費用がかさんだり、工期が長引いたりする可能性があります。

営業停止や信用低下につながる

ダクト火災が起きると、設備や内装の修復だけでなく、すすや臭いの除去、安全確認なども必要になります。

復旧に時間がかかれば、復旧の間は店舗の営業や工場の操業を停止しなければなりません。

休業中の売上減少に伴い、設備交換や修繕、清掃などの費用も発生します。

また、火災によって顧客や取引先、近隣住民に不安を与え、事業者としての信用に影響するおそれもあります。

近隣店舗・ビル全体へ延焼する

テナントビルや商業施設では、ダクトが複数の階や区画を通っていることがあります。

火がダクトやその周辺を伝うと、出火した店舗だけでなく、近隣の店舗や別の階まで被害が及ぶ可能性があります。

被害が広がれば、建物全体の避難や営業停止が必要になり、ほかのテナントへの補償や復旧工事の調整が生じるおそれもあるのです。

従業員や利用者に被害が及ぶ

ダクト火災は、天井裏や壁の中など、外から見えない場所で火や煙が広がりやすい火災です。

そのため、店内で大きな炎が見えなくても、すでに避難経路まで煙が回り、従業員や利用者の避難が遅れるおそれがあります。

また、火災時の煙に含まれる一酸化炭素などの有害ガスを吸い込むと、中毒や意識障害などの人的被害につながる可能性があります。

ダクト火災の危険サイン

ダクト火災が発生する前には、排気の弱まりや油汚れ、油漏れなど、火災につながる異常が現れることがあります。

ダクト火災につながる主な危険サインは、次の通りです。

  • 店内・厨房が煙たい
  • フード・グリスフィルターがべたつく
  • 排気口・ダクトの継ぎ目から油がにじんでいる
  • 長期間、ダクト内部を点検・清掃していない

ここからは、それぞれの危険サインについて詳しく解説していきます。

店内・厨房が煙たい

以前より煙や臭いがこもるようになった場合は、排気設備の性能が低下している可能性があります。

原因として考えられるのは、グリスフィルターの目詰まりや排気ファンの故障、ダクト内部の汚れなどです。

排気設備の性能が低下した結果、必要な量の空気を外へ排出できなくなります。

排気不良を放置すると、ダクトの中に油煙や熱がたまりやすくなり、火災が起こる危険性も高まります。

フード・グリスフィルターがべたつく

フードやグリスフィルターに油が付着している場合は、フードやグリスフィルターの奥にあるダクト内部にも油脂がたまっている可能性があります。

見える部分だけを拭き取っても、ダクト内の油汚れまでは除去できません。

油煙が多く発生する厨房では、フードやフィルターの状態を確認しながら、必要に応じてダクト内部も清掃しましょう。

排気口・ダクトの継ぎ目から油がにじんでいる

排気口やダクトの接続部分から油がにじんでいる場合は、ダクト火災のリスクが高まっているサインです。

ダクト内部に多くの油脂がたまっているか、接続部分に隙間や劣化が生じている可能性があります。

油が外へ漏れている状態を放置すると、ダクト周辺の建材や設備にも油が付着し、火災時に被害が広がるおそれがあります。

長期間、ダクト内部を点検・清掃していない

ダクトの中は外から見えないため、長い間点検していなくても、油汚れやほこりがたまっていることに気付きにくい場所です。

特に、焼肉や揚げ物など油煙が多く発生する厨房では、短期間でも油脂がたまる可能性があります。

そのため、点検や清掃を後回しにすると、火災につながる危険が高まるおそれがあるのです。

清掃や点検の適切な頻度は、使用時間や調理内容、排気設備の構造によって異なります。

長期間内部を確認していない場合や、前回の点検時期が分からない場合は、専門業者による点検を検討し、汚れの状態に応じて清掃周期を見直しましょう。

ダクト火災を防ぐポイント

ダクト火災を防ぐには、内部に油脂やほこりをためないだけでなく、点検や清掃を行いやすい設備にしておくことが重要です。

新設・改修時には、材質や形状、部材の配置、施工方法まで含めて安全性を確認する必要があります。

ダクト火災を防ぐ主なポイントは、次の通りです。

  • 油脂をためない清掃・点検を続ける
  • グリス除去装置・防火ダンパーを点検できる状態にする
  • 清掃しにくいダクト形状を避ける
  • 用途に合う不燃材料・施工方法を選ぶ

ここからは、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

油脂をためない清掃・点検を続ける

ダクト火災を防ぐ基本は、フードやグリスフィルター、ダクト、排気ファンに油脂やほこりをためないことです。

特に火元に近い場所は汚れやすく、付着した油に炎や火の粉が触れると、ダクト内部まで火が広がるおそれがあります。

日常的に確認できるフードやフィルターだけでなく、外から見えないダクト内部も定期的に点検しましょう。

次に挙げる異常がある場合は、点検時期を待たずに専門業者へ相談することをおすすめします。

  • 店内に煙がこもる
  • フィルターがべたつく
  • 接続部から油がにじむ

清掃の頻度は、設備の使用時間や調理内容によって異なります。

焼肉や揚げ物など油煙が多く発生する厨房では、汚れの状態に合わせて清掃周期を短くするなど、見直しも行いましょう。

グリス除去装置・防火ダンパーを点検できる状態にする

グリス除去装置や防火ダンパーは、ダクトへの油脂の流入を抑えたり、火災時の延焼を防いだりする役割を持つ設備です。

ただし、油汚れやほこりを放置すると、本来の性能を十分に発揮できなくなるおそれがあります。

主な役割と点検のポイントは、次の通りです。

設備・部材 主な役割 点検・管理のポイント
グリス除去装置 排気に含まれる油を取り除き、ダクト内部に油汚れがたまるのを抑える ・目詰まりや油汚れを放置しない
・取り外して清掃しやすい状態を保つ
防火ダンパー 火災時に閉鎖し、ダクト内を通じた火炎の伝播を抑える ・油やほこり、さびを取り除く
・点検口から羽根や作動部分、温度ヒューズを確認できるようにする

どちらも、設置するだけでは十分ではありません。

定期的に点検・清掃を行い、必要なときに正常に働く状態を保つことが大切です。

点検口がない場合や、部材まで手が届かない場合は、設備の改修も検討しましょう。

清掃しにくいダクト形状を避ける

ダクトの曲がりや立ち上がり・立ち下がりが多いと、油脂やほこりがたまりやすくなり、清掃器具も届きにくくなります。

また、点検口が少ない場合や、汚れがたまりやすい場所から離れた位置に設けられている場合は、内部の状態を確認したり、十分に清掃したりすることが難しくなります。

厨房排気ダクトには、角ダクトや丸ダクトなどが用いられることが多いです。

スパイラルダクトは丸ダクトの一種で、直線的な経路を構成しやすく、用途や設置環境に応じて採用されています。

一方、フレキシブルダクトは曲げやすく施工しやすいものの、内面の凹凸に油やほこりが付着しやすいため、油煙が流れる経路に使用する場合は、清掃方法や使用範囲を十分に検討することが大切です。

ダクトを設計・施工する際は、設置のしやすさだけでなく、曲がりの数や経路、点検口の位置まで考慮し、将来にわたって点検・清掃しやすい構造にしましょう。

用途に合う不燃材料・施工方法を選ぶ

ダクトや周辺部材には、流れる空気の温度や、排気に含まれる油脂、粉じん、ミストなどの性質に適した材料を使用する必要があります。

厨房の排気ダクトには、主にステンレス鋼板や亜鉛めっき鋼板などが使用されます。

ただし、必要な材質や板厚は一律ではありません。

厨房設備の能力やダクトの大きさ、地域の火災予防条例などによって異なるため、設計時には所轄消防署や専門業者へ確認しましょう。

また、ダクトの接続部分に隙間があると、油を含んだ空気が漏れたり、必要な排気量を確保できなかったりする可能性があります。

そのため、フランジ接続や溶接など、気密性を確保できる方法で施工することが大切です。

さらに、ダクトや天蓋の周囲には燃えやすい物を置かず、設備の仕様や関係法令に定められた離隔距離を確保する必要があります。

新しく設置したり改修したりする場合は、価格や工事のしやすさだけで選ぶのではなく、ダクト本体の材質や板厚、接続方法、点検口や関連部材まで含めて検討しましょう。

山陰設備工業株式会社では、角ダクトや丸ダクト、スパイラルダクトをはじめ、点検口やたわみ継手などの関連部材を取り扱っています。

標準的な規格品に加え、現場の寸法や設備の用途に合わせた特注品にも対応しているため、設置環境に合う製品をご検討いただけます。

設備の用途や設置環境に合わせた製品をお選びください。

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ダクト火災は、清掃不足だけでなく、用途に合わない材質や油脂がたまりやすい形状、点検しにくい構造、排気性能の低下など、複数の原因が重なって発生します。

既存設備に油汚れや排気不良が見られる場合は、清掃だけで済ませず、ダクトの経路や接続部、防火ダンパー、点検口なども確認することが大切です。

また、新設や改修を行う際は、価格やサイズだけで判断せず、用途に合った材質や形状を選び、清掃や点検を行いやすい設備にする必要があります。

山陰設備工業株式会社では、角ダクトや丸ダクト、各種フレキシブルダクト類、点検口などの関連部材を直接販売しています。

さらに、焼肉店をはじめとする飲食店でのダクト清掃実績もあり、油汚れが蓄積したダクトの清掃についてもご相談いただけます。

ダクト火災のリスクを抑えるためには、設備の状態に応じて製品の見直しと清掃・点検をあわせて検討することが重要です。

ダクト製品の選定や特注品の製作、清掃についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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